地獄少女 なぜ依頼人は永遠の地獄の扉を開けてしまうのか?

記事

※アニメ地獄少女 宵の伽公式サイトより引用

もし地獄少女がいたら、あなたは赤い糸を引いてしまうのではないでしょうか?

アニメの地獄少女 おもしろかったね。

自分の心の醜いところを見せられる気がしてたわね。

みなさんは地獄少女というアニメを見たことはあるでしょうか?

シリーズ4まで制作されている人気アニメです。

内容は閻魔あいこと地獄少女が、恨みの念を抱く依頼者と契約を結び、憎い相手を地獄に流し、

その代わりに依頼者も死んだ後、永遠の地獄に落ちるというストーリーです。

普通に考えれば全然、割にあわないね。

そうね。自分も永遠の地獄じゃ考えるまでもないと思うけど。

どれだけ憎い相手とはいえ、自分も永遠の地獄に落ちるというのは、普通は分が悪すぎてこんな契約は成立しませんよね。

しかし依頼人の多くはあまりある憎しみ、怨みを抑えられず、激情にかられて藁(わら)人形の赤い糸を引いてしまいます。

これはいったいどうしてでしょうか?

そしてあなたが依頼人に共感しているのなら、あなたの中にも「地獄少女に依頼する自分」がいるということですね。

今すぐかなう欲望を抑えられない

「怨みの相手は速やかに地獄に流されるわ。

その代償としてあなたも地獄に落ちる。」

アニメ 地獄少女より

地獄少女は憎い相手は速(すみ)やかに地獄へ送り,依頼人は死んだ後に地獄へ送ると告げます。

実はこれが大きなポイントなんです。 たとえば憎い相手が今すぐでは無く、1ヶ月後に地獄へ送られるなら契約はほとんどの場合、破棄(はき)されるでしょう

人間心理で「遠い将来は待つことができるが、近い将来は待つことができない」という行動経済学の専門用語で双極割引という理論があります。

つまり今すぐ願い、欲望をかなえる方法があれば、少々の犠牲を払っても手に入れたいわけです。

たとえば

・憎い相手を1ヶ月後に地獄に流す。

・自分も死後地獄に落ちる。

遠い将来(1か月後)に願いがかなう。

これだと契約する人は極端に少なくなるでしょう。(待つことが出来る)

対して

・憎い相手を速やかに地獄に送る

・自分も死後地獄に落ちる

つまり近い将来(今すぐ)願い、欲望がかなえられる方法があるわけです。(待つことができない)

そうするとその誘惑に人はなかなか抗(あらがえ)えないわけです。

地獄少女に依頼するのはナゼ?

他の例をあげてみます。

みなさんは学生時代は、夏休みも宿題は計画を立てて片づけたでしょうか?

もちろん計画を立てて予定通りに片づける意思の強い人もいますが、多くの人はぎりぎりまで終わらなかったと思います

そうだね 後回しにするとタイヘンな思いをする、とわかってるんだけどついつい遊んでしまってたね。

欲しい物をローンを組んで買ってしまうのもそうね。

あとあと支払いで苦労する金額でも、買ってしまうね。

人は今すぐ願望がかなうということを極端に過大評価する傾向があり、少し待って大きな利益を得ることがなかなかできません。

例えば地獄少女に依頼しなくても、憎い相手が死ぬか、自分が死ねまで待てば憎い相手に永遠に会わなくてすむわけですよね。

ですから自分が永遠の苦しみの地獄に落ちるよりもこちらの方がずっと得な選択です。

なのにそれまで待てないというのが人間の悲しい性(さが)ですね。わたしたちはそんな依頼人に自分を重ねてしまうわけです。

まとめ

ダイエットをしようとしてもおいしそうな甘いケーキの誘惑、欲しいクルマがあるから身の丈(たけ)に合わないローンを組んでしまう、ギャンブルにはまってしまって借金をしてしまう。など

目の前の誘惑に耐えるということは、本当に難しいことです。

仮に甘いケーキが無ければたべられませんし、クルマが欲しくてもローンという仕組みがなければ、あきらめられます。 またギャンブルにしても借金できなければ、借金してまでギャンブルをすることもありません。

しかし 今の時代は今すぐに欲望をかなえる手段が数多くあります。

そんな時代に身を守るには行動経済学などの人間心理を、勉強してみるのもいいかもしれませんね。

久しぶりに見ましたが、本当に地獄少女というアニメは人生について考えさせられます。

それではまた!

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